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季刊誌「ハーネス通信」

2023年07月のバックナンバー

繁殖リタイア犬ボランティアさんインタビュー「アニーちゃんからの贈り物」(2023年夏号)
 今年の夏で17歳になるアニーちゃんは、繁殖犬(お母さん犬)のリタイア犬。今回は、アニーちゃんが暮らすボランティアさんのお宅に伺い、インタビューしました。
 繁殖犬ボランティアとして、アニーちゃんの4回の出産と約30頭の子育てもサポート、して今はリタイアしたアニーちゃんのお世話をしながら、木香テラスのボランティアをはじめ、様々なご協力をしてくださっているボランティアさんです。


山内さんとアニーHP.jpg
 亀岡市内の静かな住宅街にあるお家。青々とした芝生が広がるお庭に面したリビングルームには、テラスがあります。室内からお庭まで、足取りがおぼつかないアニーちゃんが楽に移動できるよう、よく整えられています。
 ピンクのワンピースを着せてもらったアニーちゃん。腰を支えてもらい身をゆだねながら、お庭に出てきてくれました。
 「アニーちゃんから、たくさんの贈り物をもらっています」という山内さんの思いを語ってくださいました。

【アニーちゃんとの出会い】
Q:この場所でアニーちゃんの子犬たちが育ったのですね。
A:アニーちゃんの4度の出産うち、初めての時は協会でしたが、2回目以降はここで出産しました。生まれた子犬たちは、パピーウォーカーのご家庭に行く前の生後約2か月間、みんなここで大きくなりました。

Q:どうしてボランティアをされることになったのですか?
A:もともとは、キャリアチェンジ犬を申し込んでいたんです。15年前、小学生だった次男の「犬が飼いたい」がきっかけで、キャリアチェンジ犬ことを知り、「これだ!」と、すっかり方向が決まりました。

Q:キャリアチェンジ犬希望だったのですね。
A:もちろんパピーウォーカーのことも知りましたが、「お別れ」は辛くて無理だと思ったので。ところが、協会から「繁殖犬ボランティアをしませんか?」というお話があったんです。「経験がないですし、とても無理です」と断ったのですが、協会スタッフから「出産の時は、こちらがすべてやりますから、大丈夫です!」と言われて...。そのお言葉を信じて、お引き受けしました。そしてうちに来たのが、生後約1歳だったアニーちゃんでした。

Q:協会スタッフの言葉のとおりでしたか?
A:いや~(笑)、軽い気持ちでお受けしてしまいましたが、やってみて「これは大変だ!すごく重大なお仕事なんだ!」って気づいたときには手遅れでした・・・(笑)。

【アニーちゃんからの贈り物】
Q:アニーちゃんからの贈り物って、何ですか?
A:たくさんあります。まずは、「息子たちの笑顔」ですね。思春期で無口になる年頃の二人が、アニーちゃんの前では思いっきりの笑顔。 子犬たちのウンチの片付けや、シーズンのアニーちゃんのナプキンの取り換えまで、当たり前にやってくれました。リタイアした今も、年老いた姿を家族に見せてくれることが、私たちの学びになっています。2歳の孫も、おばあちゃんアニーをかわいがり、労わってくれています。80歳代の私の母も、アニーちゃんの姿をこれからの自分に重ねて思うところがあるようです。

Q:ご家族に影響があったのですね。
A:家族を越えたつながりも広げてくれました。特に、LINEやインスタグラムをするようになってからは、わんちゃんつながりの仲間がとても増えました。一緒に遊びにいったり、イベントをしたり...。アニーちゃんのお誕生日に盛大なパーティーをしてもらったこともあります。また今年の母の日は、「お母さんアニーちゃんへ」と、アニーちゃんの子どもたちのいるご家族から、たくさんの贈り物が届きました! 私より多いです(笑)。アニーちゃんがいなかったら、こんなに豊かな出会いはありませんでした。

Q:アニーちゃんが人をつなげてくれているのですね。
A:家族や友人ばかりではありません。私自身の心にも、大きな贈り物があります。ある獣医さんが、「人が犬を愛するのではなくて、犬が人を愛してくれている」とおっしゃって、その通りと思いました。アニーちゃんが私を愛してくれるからこそ、私は幸せなんです。それに気づいて、涙が出ました。

【最近のアニーちゃん】
Q:17歳というと高齢ですが、とても上手に介護されていますね。
A:よく、「どうしたら犬が長生きできますか?」と聞かれることがありますが、答えに困ります。ただ私は、いつもアニーちゃんと会話するようにしています。日々少しずつ変化する中で、いつもの生活を続けるには何をサポートしたらよいかと考え、工夫しています。アニーちゃんの目や体の動きから気持ちを読み取り、「アニーちゃん、これ?」「これかな?」と聞きながら、その日その日を過ごしています。

Q:とても息が合っています。伝わるものがあるのですね。
A:アニーちゃんは「今を生きている」と思います。だから私も「先々のことを心配してもしょうがない。今を生きようよ」と思えるようになりました。これも大きな贈り物だと思っています。

 歩くのが大変になった今は、大好きなドライブであちこちお出かけしているアニーちゃん。行く先々で「アニーちゃんですよね?」と、知らない人から声をかけられるほどの有名犬です。そんな「今を生きる」アニーちゃんと二人六脚(?)で行動しながら、今もたくさんのことを学んでいるとおっしゃいます。これからも当協会の大切なボランティアとして、ご協力どうぞよろしくお願いいたします。

アニーちゃんの日々の様子がInstagramにアップされています。
https://www.instagram.com/mikannies/?hl=ja

記事と合わせて動画でもご覧いただけます!
 インタビューの時の様子を動画でご紹介しています。
「アニーちゃんからの贈り物」
 通常版  https://youtu.be/q8s6vmnXKHc
 副音声版 https://youtu.be/iac16N4wfAE


山内さんとアニー.JPG

山内さんとアニー.JPG
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