季刊誌「ハーネス通信」
2021年11月のバックナンバー
- テラスだより(2021年秋号)
木香テラスが竣工してから早いもので5年が経ち、たくさんの見学者の方やボランティアさんがお越しになりました。この5年間に200頭を超える犬たちが訓練され、盲導犬、繁殖犬、キャリアチェンジ犬、それぞれの道に進んでいきました。今、テラスでは21頭の犬たちが訓練に励みながら生活しています。
テラスにはスタッフの事務スペースもあり、私たちは常にお互いの存在を確認しながら過ごしています。以前の犬舎に比べて良くなったことは、犬たちの健康維持が容易になったことです。特に皮膚疾患、消化器系疾患は劇的に改善されました。一番の理由は、「靴を脱いであがる」ことにあると思います。多くの病原菌は靴から運ばれてくるからです。また、従来の犬舎では敷設されているのが普通だった排水溝を作らなかったので、水で流す掃除から拭き掃除が基本になりました。床が常に乾いた状態なので臭いもありません。スタッフがお昼に食べたラーメンの残り香の方が気になるぐらいです。
また、1頭の犬にかける時間が増えたことも理由の一つです。以前は排泄もごはんもみんな一斉にしていましたが、今は1頭ずつ個別に行うようにしています。犬それぞれの動きの癖やふるまいを見ることは訓練に活かせるだけでなく、犬たちの体の異常にも早く気づくことができていると思います。
テラスになって問題があるといえば、大空間で声がよく響くことです。スタッフで犬について話す機会が増えましたが、「もう少し静かに」と注意されるようになりました。(笑)