読み上げブラウザ用メニュー

季刊誌「ハーネス通信」

2020年10月のバックナンバー

防災について 今一度 考えてみませんか

豪雨による洪水・土砂崩れ、地震と、近年、大きな災害が日本各地で起こっています。起きたら困るけれど、身近に起きる可能性が十分ある「災害」について、もう一度考えてみませんか。


「5段階の警戒レベルと避難・防災気象情報について」
警戒レベル5
 住民がとるべき行動:命を守る最善の行動
 避難情報等:災害発生情報(災害が実際に発生していることを可能な範囲で市町村が発令)
 防災気象情報:氾濫発生情報、大雨特別警報等

警戒レベル4
 住民がとるべき行動:全員避難。避難場所までの移動が危険と思われる場合は、近くの安全な場所や、自宅内のより安全な場所に避難
 避難情報等:避難勧告、避難指示(緊急的又は重ねて避難を促す場合等に市町村が発令)
 防災気象情報:氾濫危険情報、土砂災害警戒情報等

警戒レベル3
 住民がとるべき行動:高齢者、障がい者、乳幼児等、避難に時間を要する人は避難。他の住民は避難準備
 避難情報等:避難準備・高齢者等避難開始(市町村が発令)
 防災気象情報:氾濫警戒情報、洪水警報等

警戒レベル2
 住民がとるべき行動:避難行動の確認
 防災気象情報:洪水注意報、大雨注意報等

警戒レベル1
 住民がとるべき行動:災害への心構えを高める
 防災気象情報:早期注意情報

【災害に関する情報をもっておきましょう】
 「避難勧告等に関するガイドライン」が2019年3月に改訂され、住民は「自らの命は自らが守るという意識を持ち、自らの判断で避難行動をとる」との方針が示されました。自ら判断するためには、判断の元になる情報が必要です。
 お住いの地域の「ハザードマップ」を確認しておきましょう。しかし、視覚障がい者もわかるハザードマップってあるのでしょうか。一部の自治体では、触ってわかるよう立体的なものや、ハザードマップの情報を音声化したものを作って提供しています。これが一部自治体の取り組みではなく、どこに住んでいても、誰にでもわかりやすいハザードマップの作成が1日も早く望まれます。

【実際に避難所に避難することになったら】
 災害が起きた時、「避難所には行かない」ことを選択した視覚障がい者は少なくありません。
「避難所までの道が災害でどうなっているのかわからない状況で、一人で避難所に行くのは無理」
「避難所に行っても中の様子がわからずトイレに行くのもだれかの手引きが必要。誰もが大変な状態で手引きをお願いするのは心苦しい」
 このような理由から避難所に行くことを躊躇される方が多いようです。
 視覚障がい者に限らず支援が必要な人たちにとって、「いっしょに避難しましょう」といった近所の人たちの積極的な声かけがどれほど心強く感じられることでしょう。皆さんも、お住いの地域にどのような支援を必要とする人がいらっしゃるか、改めて見直してみませんか?

☆そして、何よりもまず、災害が起きることが予想される時には、早めの避難を心がけましょう。いざという時、自分の命、そして犬の命を守る行動が取れるよう、盲導犬ユーザーも家庭犬オーナーも、一人一人が日頃から防災の意識を持ち、しっかりと準備しておくことが大切です。

【ヘリコプターを使った救助訓練】
 8月20日、「大規模災害発生時における視覚障害者等のへりによる救助研修訓練」が広島市西区にある広島市消防航空隊基地および広島へリポート西側訓練場で行われました。訓練の一環として、実際に盲導犬とともに救助用ヘリコプターに吊り上げられることになった当協会ユーザー、清水和行さんから連絡をいただき、その訓練の様子を見学しました。
 このような訓練が開催されることになったのは、2018年の西日本豪雨後、広島市消防航空隊の方が盲導犬ユーザーの救助方法について、日本盲導犬協会島根あさひ訓練センターに相談されたことがきっかけだそうです。昨年は、日本盲導犬協会職員がアイマスクをつけ訓練犬と参加しましたが、やはり障害当事者が訓練に参加することが重要ではないか、ということで、西日本豪雨で盲導犬と被災した経験を持つ清水さんに声がかかりました。だれもが安心して避難できる社会づくりのために取り組んでくださっている広島市消防航空隊の方々、その思いに応え準備を進めてくださった日本盲導犬協会のスタッフの方々には感謝です。
 まずは消防航空隊基地格納庫で、犬・人ともにハーネス(盲導犬の誘導具のハーネスではなく、落下することのないように強力なナスカンをつけることができるチョッキのようなもの)をつけ、ヘリコプターの右側にあるワイヤーで吊り上げられ、隊員がヘリコプター内部に人と犬を収容する、という訓練が行われました。その中で、実際に視覚障がい者に声をかける時や誘導の留意点について清水さん、日本盲導犬協会職員からアドバイスがありました。その後、場所を移し、実際に約30メートル上空を飛んでいるヘリコプターからの救助訓練が行われました。
 今回の訓練を見学していて、実際に盲導犬とともにユーザーがヘリコプターで救助を受けることが可能だということが実感できました。しかし、その一方で、いつでもどこでもヘリコプターで救助してもらえるわけではない、ということもわかりました。犬を吊り上げるためのハーネスが用意されているのは、広島市・広島県・島根県の消防航空隊だけだそうです。またその装着も日頃の訓練が必要だと感じました。
 それでも、清水さんがおっしゃった「盲導犬だけが特別だとは言わないが、ルーラは自分にとって特別。自分だけが避難することはできない。例えば、水害の時、自分がいる建物の上の階への垂直避難だけでなく、ゴムボートでの避難、ヘリを使った避難、と選択肢が増えることは、それだけ助かる命が増えるということ」という言葉が印象的でした。

メニューを閉じる