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季刊誌「ハーネス通信」

2020年10月のバックナンバー

盲導犬ユーザーと京都を歩く26 麒麟がくる京都亀岡大河ドラマ館で先生になりました

今年はとうとう、ご当地ヒーロー「明智光秀公」を愛する亀岡人の夢がかないました。そうです、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」です。亀岡駅前に生まれた「京都亀岡大河ドラマ館」は大賑わい・・・ となるはずでしたが、コロナ禍でまさかの急ブレーキ。しかし心配するなかれ。ドラマ再開と共に徐々に好転し、この秋から年末にかけて一気にクライマックスに向かう勢いです。
 さてこの地に根を下ろし、亀岡愛いっぱいの「関西盲導犬協会」としても、今のうちに明智光秀公にお近づきになりたいと、今回は「麒麟がくる 京都亀岡大河ドラマ館」を訪れました。


 「麒麟がくる 京都亀岡大河ドラマ館」は、真新しい「サンガスタジアム」の一階にあります。実は単なる見学ではなく、研修会の講師としてやってきた森永さんとウーリー。受講するのは、「夢ツーリストきたみ」代表 北見貴志さんと、「近畿日本ツーリスト関西 京都支店」の小林真奈さんです。新人社員を指導する立場でもあるお二人は、学ぶ意欲いっぱいです。研修の目的は「視覚障がい者や盲導犬について知り、旅の仕事に生かすこと」。まずは座学からはじまりました。

学びポイント1 見えないってどんなこと?
 出だしは森永さんの体験談。「私は子どもの頃は弱視でした。見えにくいことを隠すため、無理して見えるふりをしていました。人に誤解されたり、移動で危険な目にあったり、精神的にとても辛かったのです。全盲となり盲導犬で自分をアピールしながら歩く今の方が、私にとっては精神的にずーっと楽なんです。見えていないほうが楽なんて、予想外かもしれません。」

学びポイント2 弱視の見え方体験
 2種類のシミュレーションレンズを体験しました。一つは視野がすごく狭いけれどぼやけていないレンズ。もう一つは、全体にぼやけているけれど、視野は広く全体が見えるレンズ。弱視の人が「字が読めているのに、なぜ歩くと危なっかしいの?」「歩けるのになぜ字が読めないの?」などと誤解を受けやすいことを実感しました。

学びポイント3 盲導犬の最新情報
 次に、基礎知識編です。最新データでは、盲導犬を使って歩いている視覚障がい者は、全国では約930人。視覚障がい者全体の0.3パーセントしかいません。
 また盲導犬ユーザーの約半数の人が入店拒否にあっているという最新実態調査の結果も紹介。一番多い場所は断トツで飲食店です。ちなみに、補助犬(盲導犬 聴導犬 介助犬)の同伴受け入れは「身体障害者補助犬法」によって義務付けられています。
学びポイント4 盲導犬は触っていいの?
 森永さんからの説明です。「いいえ、勝手に触ってはいけません。なぜなら、私にとって大切な存在だからです。そしてもう一つの理由は、この子(盲導犬)たちは人が大好きだから。触られたり声をかけられたりすると、うれしくって注意散漫になってしまいます。そうすると、私が危険なんです。だから、触らないこと、呼ばないことをお願いしています」

学びポイント5 サポートするときに一番大切なことは?
 とにかく基本は「本人に尋ねてみること」。「どうやってサポートしたらいいのかな?」「こんなことを聞いたら失礼かな?」と、戸惑うかもしれませんが、決めつけや、知ったかぶりは一番よくありません。
 森永さんからは、こんな意見も。「声をかけた人が、たまたま虫の居所が悪くって怒り出すこともあるかもしれません。でも、視覚障がい者に限らず、どこにでもそんな人はいますよね。もし、そういう人に出会ってしまっても、あまり気にしないでくださいね。」

 このあたりで座学は一区切り。ここから実践です。小林さんの手引きで、ドラマ館の中へ。最初はちょっとぎこちない二人でしたが、京都亀岡大河ドラマ館副館長の小森基靖さんの説明を聴きながら、だんだん緊張がほぐれ、最後にはすっかり和やかでいい感じに。

<ふりかえりのディスカッション>
小林さん「手引きは初めてだったのですが、森永さんがご自身の希望を言ってくださったので、その通りにしたらできました。何でもストレートにお尋ねすればいいのですね。」
北見さん 「館内は触れるものが全くありませんでした。何か工夫があればよかったのでは?」
森永さん 「そうですね。例えば衣装に触ることができたら、イメージしやすかったかなと思います。高価な本物に触れなくても、レプリカでいいのです。そうしたら、視覚障がい者だけじゃなくて、みんなが楽しめるのではないでしょうか。」

<研修会を終えて>
森永さん 「最初から、小林さんも北見さんも、声にだして頷いたり、どんどん質問してくださったりしたのがすごくいいと思いました。相手がシーンとしていると、寝てるのか話を聞いているのか私にはわからないんです。また今回のメインは研修会の講師でしたが、ドラマ館も体験できてよかったです。正直、視覚障がい者にはわかりにくい展示が多かったですが、でもスタッフの皆さんの『なんとかしたい』『伝えたい』という熱意を感じて、すごく頼もしく思いました。コロナ禍が落ち着いたら、こういう旅行スタッフの方々と一緒に、素敵な旅の計画を立てたいですね!」

麒麟がくる 京都亀岡大河ドラマ館
〒621-0804 京都府亀岡市追分町
サンガスタジアム by KYOCERA(京都スタジアム)内特設会場
TEL:0771-55-9320(9:00-17:00、無休)
開催期間:2020年1月11日(土)~2021年1月11日(月・祝)
開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)  チケット(当日券)600円
※詳細はHP等でご確認ください。

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