季刊誌「ハーネス通信」
2018年07月のバックナンバー
- 盲導犬ユーザーと京を歩く第21回 私が好きなお茶、見つけた! 『一保堂』日本茶ミニ講座に行きました
私たちにとって、身近な日本茶。お茶のペットボトル一本持っていると安心しますよね。でも、茶葉から美味しく淹れることが出来る人は、意外に少ないのかも。
今回訪れたのは、江戸時代の中頃に創業したという日本茶専門店「一保堂茶舗」。歴史を感じる店舗には、ひっきりなしに観光客が訪れています。ここで無料の「日本茶ミニ講座」があると聞き、おじゃましました。おしゃれなショットバーで?
しとしと雨が降る中やってきた、森永さんと赤いレインコートのウーリー。老舗らしい重厚な店構えですが、入って左の小さなお部屋に通されると、和風のショットバー?? カウンターの向こうにはバーテンダーさんが?? 今日はここで特別な「ミニ講座」を、開いて下さいました。対応して下さったのは、京都弁が素敵な鍋島智さんです。3回も楽しめてお得!
まずは日本茶の基礎知識。茶葉をよく見ると、一枚一枚にヨリがかかっています。そのヨリを開くのが、お茶を淹れる、ということ。少しずつほぐれながら、一煎目、二煎目、三煎目と、味わいの違いを楽しめるのが日本茶。一度きりのコーヒーや紅茶に比べると、とってもお得なんですね。基本は10グラム
まずは、甘い香りが特徴の「玉露」。新芽の頃に、30日くらい覆いをかけるという栽培方法により、うまみが濃厚になるとのこと。茶葉を急須に大匙2杯。約10グラムは、意外にたっぷり。湯冷ましが大切
沸騰したお湯を、茶器から茶器に移しながら冷まします。目安はお風呂の温度。玉露の堅くしまった茶葉にとじこめられた上質のうまみを引き出すには、温度が低いほどよいのです。たらり、20cc
丁寧に入ったお茶は、たった20CC。ゴクゴク飲むのではなく、たった一口で満足できるものだから。熱すぎたり、急須をゆすったりすると、雑味が出てしまいます。丁寧に鮮やかに、玉露の一煎目が入りました。おだしみたい!おいしい!
透き通って濁りがない玉露の一煎目。森永さんの感想です。うまみの味がしっかり出て、のどごしがよく、品の良い余韻が残ります。茶殻を食べてみた!
二煎目は冷水で。香りを味わいながら口に含むと、初めての味に出会った気分。そして、玉露の茶殻は、そのままでも食べられるほど美味。ビタミンEたっぷり。かき揚げなど、お料理にも使えるのです。うまくなれ!のおまじない
次は太陽の光をたっぷりあびたお煎茶。玉露よりも温度は少し高めに。急須に注いで約一分。ゆすりたくなりますが、それはダメ。うまくなれ..と念じながら、静かに注ぎます。「おいしい! とろっとしている」と、森永さん。母の香り、ほうじ茶
最後は、普段使いのお茶、ほうじ茶。たっぷりと熱湯を注ぎ、たった30秒でできあがり。いい香りが漂います。すっきりと透明で、いつまでも残る余韻です。森永さんいわく「あ、この香り、お茶好きの母がよく淹れてくれた、懐かしい香り!」と。森永さんの一言
「上等なお茶は難しいだろうと思っていました。でも説明が分かりやすく、何種類ものお茶のうまみを楽しんだり、香りや味の変化を味わったり、違いがはっきり分かりました。そして、自分の好みを自分で発見できました。日本茶、いいですね。これからは、急須をゆすらず、静かに淹れます!」楽しいお茶、美味しいお茶、好みにあったお茶をお客様に提案するため、毎週末に1回、10分程度、スタッフの方が説明し、ティスティングさせて下さるという「一保堂日本茶ミニ講座」。もっと本格的に習いたい人には、定期教室(有料)などもあります。また自分でお茶を淹れてお菓子を味わうユニークな「喫茶室嘉木(かぼく)」もあります。視覚障がい者の方、盲導犬のユーザーさんも大歓迎とのこと。どうぞ足を運んでみて下さい。一保堂茶舗
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