季刊誌「ハーネス通信」
2025年04月のバックナンバー
- 国際盲導犬連盟の定期査察に合格(2025年春号)
昨年10月14日から3日間、国際盲導犬連盟(International Guide Dog Federation 以下、IGDF)による査察が行われました。IGDFは、現在世界で約30の国と地域で約100件の盲導犬育成団体が加盟する組織です。関西盲導犬協会は、35年前から加盟していますが、会員を維持するためには、通常5年に1度の査察に合格しなければなりません。今回はコロナ禍の影響により、7年ぶりの査察となりました。
査察には、アメリカのニューヨーク州にある盲導犬施設Guiding Eye(ガイディング・アイ)からベンジャミン・カウリー氏が、査察官として来所されました。訓練、パピー、繁殖犬、犬の飼育環境、ユーザーやボランティア、及び職員への処遇など、当協会に対して盲導犬育成事業に関するあらゆる面での査察が行われました。
今回の査察において、ベンジャミン氏は、「犬の収容環境が非常に静かで清潔且つ快適であり、評価に関するほとんどの会議をこの素晴らしいスペースで行うことができたこと、そしてこのような施設を作り上げた関西盲導犬協会に感謝します」と述べられました。
以下に査察者のレポートの一部を紹介します。
「関西盲導犬協会は、標準的な犬舎の配置と比較して、より穏やかな環境を作り出す印象的で革新的な犬の住環境を作り出しており、飼育エリアはIGDF基準を超えています。
犬が個別のスペース(サークル)に収容されており、水へのアクセスが容易で、快適な寝具が備えられていることを確認しました。環境は静かで家庭的であり、テーブルや椅子、ソファ、ラグ、テーブルや椅子、さらには薪ストーブが完備されていました。家庭的な雰囲気の一環として、訓練中の犬には屋根付きの屋外排泄エリアで十分な時間が与えられ、サークル内で排泄することはほとんどありませんでした。
この犬舎(木香テラス)は、会議スペースと多目的室としても機能しています。私は、この素晴らしい空間を訪れている間、犬たちの吠える声を聞くことはありませんでした」
このように訓練犬たちへの、ストレスフリーな環境づくりが高く評価され動物福祉の観点からもお褒めの言葉をいただきました。
リスク管理としても木香テラスのロフト部分を避難場所に設定していること、ロフト部分には、家具などはあえておかず、緊急の場合に備えたスペースが確保され、犬たちがいつでも移動できるよう配慮されている点も高評価の対象として取り上げられました。その他、他協会の訓練士を研修生として受け入れ、お互いに協力していることにも触れられていました。
このように当協会の盲導犬事業は、IGDFの基準に準じており、またそれ以上でもあるということで、引き続きIGDFの会員として認定されました。こうした評価を受けることができましたのも、当協会を支えてくださっている多くの皆さまのおかげです。日頃のご支援に感謝するとともにご報告いたします。