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季刊誌「ハーネス通信」

2024年01月のバックナンバー

ボランティアリレーエッセイ(2) いぬはかすがい(2024年新年号)
 「繁殖犬ボランティアはどうですか?」という協会からの一本の電話が、私の繁殖犬飼育ボランティアのスタートです。緊張しつつ協会に伺い、ディアを紹介され、「今日から2週間程、様子をみましょう」とリードを手渡された時、犬の大きさと展開に戸惑いましたが、帰路で私の膝に頭をもたせかけたディアの確かで温かな存在感を8年経った今も鮮明に覚えています。 hp.jpg
 1歳半で出会ったディアは、2016年~2020年に4回、計16頭の子を産みました。うち6頭が盲導犬、3頭が繁殖犬となりました。初産は産箱を用意する間もなく家人の布団の上で。最初はおっかなびっくりで、子犬を構いすぎ、げっそり痩せて体調を崩したディアですが、出産を重ねるごとにより愛情深く育児上手な母犬となり、リタイアした今は新米繁殖犬オトの良き先輩です。  繁殖犬飼育ボランティアの醍醐味は、命の誕生や初期の発達過程を目の当たりにできること、母犬の育児への協働です。繁殖犬と飼育ボランティアは「パートナーシップ」で結ばれています。  ディアとオトは共に北海道盲導犬協会にルーツがあり、昨秋、彼女たちと札幌へ行きました。当地ではオトのパピーウォーカーさんの温かな歓迎や手あついサポートを受けました。北海道盲導犬協会の職員の方も再会を喜び、「家系」にまつわるさまざまなお話をしてくださり、格別な「里帰り」となりました。  これまでの経験を通じ改めて思うことは、盲導犬育成事業に関わる犬たちが、私たち人間に直接・間接的に多彩な出会いを「かすがい」のようにつないでくれているということです。繁殖犬が産んだ子たちは、その時々のライフステージでパートナーの生活を豊かにしてくれているでしょう。つながりの向こうに笑顔がある、そんな盲導犬育成事業の一端に携わる機会が与えられていることを、ボランティアや関係者の皆さま、協会職員や犬たちに感謝しています。
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