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季刊誌「ハーネス通信」

2014年07月のバックナンバー

盲導犬ユーザーと京都を歩く(6) 立命館大学国際平和ミュージアム

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「8月・・・京都で平和を考える」
今回は、京都市北区にある、立命館大学国際平和ミュージアムを訪問しました。観光都市であると同時に大学の街でもある京都。その中の一つ、立命館大学が教学理念に基づいて設立した、世界で最初の、「大学が運営する平和ミュージアム」です。修学旅行生など団体客で混雑する平日をさけ、土曜の午後の静かな時間に、ゆっくりと訪問しました。

 出迎えてくださったのは、ミュージアムの村田博俊さん、ボランティアガイドの村尾 孝さん、同じく 高城義秋さん。解放感のある明るいラウンジの壁面には、向かい合った巨大な「手塚治虫作 火の鳥」の陶板画が眩しく輝いています。
このミュージアムのキャッチフレーズは「みて かんじて かんがえて その一歩をふみだそう」。平和を考える上で避けて通れない戦争の問題について、様々な角度から考えるための工夫がこらされています。
説明してくださるボランティアガイドの村尾さんは、このミュージアムの開館当初からのガイドで、20年以上のベテラン。自らが16歳の頃、出兵したお兄さんをガダルカナル島で亡くされたというご経験もあり、熱を込めて語ってくださいました。
こんなに重いリュックを?!
兵士が担いでいたという背嚢が展示されており、さっそく持ち上げようと、挑戦。小さく見えますが、ずっしり30㎏も! 中身はお米、飯盒、テント、缶詰、乾燥野菜、弾薬、手りゅう弾、着替え・・・。これを背負って24キロメートル歩く訓練をしたのだという説明にため息。
おじゃまします
復元された戦時中の民家。玄関にオレオを待たせて、台所から茶の間まで、一つひとつじっくり触ることができました。入り口には防火用水や、火を消す道具である火たたき。炊いたご飯を入れる御櫃や、電燈には燈火管制のための黒い布がついています。居間の真ん中の「ちゃぶ台」は、かなりコンパクト!これで家族全員が食事をしていたそうです。
布にくるまれて・・・・
一階の「国際平和メディア資料室」では、学芸員の兼清順子さんに、手で触る貴重な資料を触らせていただきました。広島の原爆熱線で表面が溶けた瓦や、沖縄の海岸で数年前に掘り出された、69年前の艦砲射撃の破片など、一つひとつ薄葉紙に何重にもくるまれ、丁寧に保存されていました。
ミュージアムの方にお尋ねしてみました。
森永さん:ありがとうございました。説明がとても丁寧で、時間がたりず、もっと聞きたかったです。
村田様:そうでしょう。皆さんにできるだけ「1時間半か、2時間」はとるように、とおすすめしています。
森永さん:たくさん触るものがあり、よく分かりました。
村田様:文献や写真が多く、触れないものも多いですが、事前にご予約・ご相談いただければ、できるだけ準備します。国際平和メディア資料室では、音が聞ける資料もあります。
森永さん:視覚障がい者や盲導犬ユーザーは、誰でもこのような対応をしていただけるのですか?
村田様:はい。ガイドをご希望の場合は、遅くとも2週間前までにご予約いただければ、基本的にボランティアガイドがついて対応いたします。
森永さん:ボランティアガイドさんが素晴らしいですね。何名くらいおられるのですか?
村田様:現在、約60名おられます。60歳代~70歳代の方が中心です。定期的に学習会など熱心に勉強されていて、この博物館の財産ですね。
 インタビューの時、逆にミュージアムの方々から「盲導犬ユーザーさんや、視覚障がい者の方の見学を受け入れる時、こちらは、どんなことに気を付けたらいいですか?」などと、熱心にご質問され、きちんとメモをとられるご姿勢には感心しました。ミュージアムの理念でもある「たとえ戦争がなくても、障害によるバリアがあれば、平和ではない」という考えを実践されていると感じました。
お問い合わせは
立命館大学国際平和ミュージアム
〒603-8577
京都市北区等持院北町56-1
TEL.075-465-8151
FAX.075-465-7899
開館時間 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日 月曜日(月曜日が祝日の場合は、火曜日が休館)、祝日の翌日、年末年始、夏期休暇中の一定の期間(詳しくは開館日程でご確認ください)
どなた様でもご入館いただけます。
個人料金 大人400円/中学・高校生300円/小学生200円
※障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、ご提示・「特別見学申請書」にご記入いただきますと見学資料費が免除になります。介添の方も1名まで無料となります。20名様以上の団体には、団体割引もございます。
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