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季刊誌「ハーネス通信」

2013年10月のバックナンバー

盲導犬ユーザーと京を歩く~今宮神社~

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表紙のお話「お参り、占い、そして厄除けの餅を味わう、古(いにしえ)の時」

 今回は、京都西陣の氏神さま、紫野の「今宮神社」へ行きました。あいにくの雨模様でしたが、広々とした境内の中でも、黄色いレインコートを着たオレオと森永さんの息はぴったり。神主の大森直樹さんが話してくださる間、築200年の絵馬舎の下で、オレオはすっかりくつろいでいました。白衣に浅葱色の袴という装いで、神聖さ漂う大森さんから、普通の観光案内とは一味違う、楽しいお話を伺いました。


桜の花びらが散らないように
Q:今宮神社は、古いそうですね。
A:疫病から救ってくれる健康の神さまとして創建されたのは、1000年前、平安時代です。今も続く4月の「やすらい祭」は、病気を治すという意味があります。その昔、疫病は春に流行ることが多く、桜の花びらによって、病の神さまが飛び散るのだと考えられていました。だから「やすらい祭」は、「花が散らずにとどまってください」という意味なのです。

シンデレラガール お玉さん
Q:「健康の神さま」ですか? 「縁結びの神さま」では?
A:「玉の輿」のことですね。今から300年くらい前、西陣の八百屋さんに「お玉さん」という、心清く元気な娘さんがいて、毎日お参りに来られていたそうです。当時は士農工商、男尊女卑の時代。身分の低いお玉さんですが、大奥に入り、五代将軍徳川綱吉の生母「桂昌院」となられたのです。その信仰の力によって女性として最高の出世をしたお玉さんは、決してご神恩を忘れず、故郷の今宮神社を立派に建て直されました。これが「玉の輿」の語源ともなり、「玉の輿神社」とも呼ばれている由縁です。

よいしょ! 石を持ち上げて未来が見える
Q:占いの石、阿呆賢(あほかし)さんは、きれいなお座布団に乗せてありました。
A:最初は、「病気を治す石」だと言われていたそうですが、いつの頃からか、「二度持ち上げて、軽くなっていれば、願い事が叶えられる」という占いの石として有名になりました。色鮮やかなお座布団は、氏子さんがいつも新しくしてくださっているのですよ。

「あぶりもち」と「今宮神社」の、深~い関係
Q:あぶりもちも、有名ですね。古いのですか?
A:この社ができた次の年に、店ができたとの記録があるそうです。あぶりもちは、厄除けの意味があります。厄除けのお参りをした後でどうぞ。おもちの串は、神社の神事で使った、斎竹(いみだけ)です。小さく切って、干して串にするのです。向かい合った二軒のあぶりもち屋さんは、微妙に味が違うので、どちらがお好みか、ぜひ試してみてください。

最後に
Q:盲導犬ユーザーに一言どうぞ。
A:大歓迎です。どうぞお越しください。普段から、犬と一緒に参拝されている方もおられます。ただし、あちこちに小さな段差がありますので、気を付けてください。

森永さん、いかがでしたか?
「阿呆賢さんなど、触れるものも多いし、広々といい気持ちで、楽しかったですよ。京都を感じたい人、ぜひ、おすすめです。一つ大切なアドバイス。『あぶりもち屋さんは、水曜日定休』ですので、気を付けてくださいね。それから、毎月一日には、手作りフリーマーケットがにぎわうそうです。何度来ても楽しめそうです」

今宮神社
・京都市北区紫野今宮町21
・電話 075-491-0082(受付時間9:00~17:00)
・アクセス
JR京都駅より
 市バス205・206「船岡山」下車→北へ徒歩7分
 地下鉄烏丸線国際会館行き「北大路駅」下車→市バス1・北8・12・M1・204・205・206「船岡山」下車→北へ徒歩7分
阪急烏丸駅より
 市バス46上賀茂神社行き「今宮神社前」下車すぐ
京阪出町柳駅より 市バス1「船岡山」下車→北へ徒歩7分
金閣寺より
 市バス12・M1・204・205・206「船岡山」下車→北へ徒歩7分
大徳寺より
 北へ徒歩10分

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