活動予定・報告
活動報告
- 2016年08月08日
- 協会日記93 ハーネスの構造(8/8)
題名ですが、法律からハーネスの構造に変えました。
ということで、今日はちょっとハーネスの構造について書きます。ハーネスはこれまでのお話で胴輪部分と取手部分から成り立っていることはすでにご理解いただいたことと思います。
胴輪部と取手部について、胴輪に取り付けてある金具と取手部をダイレクトにつないでいるハーネスと、胴輪と取手部の間に金具などの接続部品が入っているハーネスの2タイプがあります。
ダイレクトにつないでいるのが下の写真です。
次の写真は胴輪と取手部の間に金具(ナスカン)が入っているハーネスです。当協会のハーネスはこれになります。
これは何が違うかといいますと、簡単に言うと取手部に伝わる犬の動きが違うということです。ダイレクトにつないでいるハーネスは犬の微妙な動きまで取手部に伝わります。その逆で、間にナスカンなどの接続部品があるハーネスは、多少の犬の動きをナスカンが吸収して犬の微妙な動きを消します。
これはどちらが良いというものでなく、盲導犬を使うユーザーが犬の微妙な動きまで読み取って歩行をしたいという人はダイレクトにつないでいるハーネス、微妙な動きまで伝わるとかえって歩きにくいというユーザーはナスカンが入ったハーネスがいいということになります。
しかし、初めて盲導犬ユーザーになる方は、協会が提供するハーネスを使うことで、それに馴染んでしまうため、その違いを知らないまま使っている方も多いと思います。私自身も、ずーっとナスカンが入ったハーネスを訓練で使っていたため、ダイレクトにつないでいるハーネスはかえって使い辛いです。
当協会では現在、ナスカンがついているタイプのハーネスしか取り揃えていないため、盲導犬ユーザーには選択肢がありません。本来なら2タイプのハーネスのどちらがよりそのユーザーに向いているかを判断して提供するのが望ましいところですが、資金的なこともあり、2タイプのハーネスを揃えるのは難しいところです。
つづく。