活動予定・報告
活動報告
- 2016年07月04日
- 協会日記68 田舎道の訓練4(7/4)
田舎道のような一本道では、見えている人にとっては行きも帰りも同じ一本道です。当たり前と言えば当たり前のことですが、実は盲導犬ユーザーにとっては当たり前ではないのです。
当協会の盲導犬ユーザーは原則、左手にハーネス(胴輪)のハンドルをもって左側通行をします。つまり、犬とユーザーは道の左側の建物や溝や壁などに沿って歩いていきます。
目の見えないユーザーは犬に着けたハーネスを通じて道の形状を読み取って行きますので、協会から国道合流地点までの行きは、田舎道の左端の形状を読み取って歩いていることになります。
そのため、同じ田舎道を帰る場合、行きとは反対側の道端が左側となりますので、来た道の反対側の道端の形状を読み取って歩くことになります。
道の右端と左端では建っている家や溝、壁などの形状が違うため、行きと帰りでは犬の動きが全然違ってきます。
例えば、行く時に犬が道の左端に建っている電柱を避けたとすると、帰り道にはその電柱を避けるという行動は出て来ません。(道の両側に同じように電柱があれば別ですが)。ですから、行く時に犬が電柱を避けた地点をユーザーが記憶に留めても、帰り道ではそれがどこなのかは犬の動きからはわかりません。
下の写真は行く時の風景です。
次の写真は、帰りの風景です。ほぼ上の写真と同じ地点ですが、道路右側と左側では、建物や道端の形状が違うことがわかります。
見えている人は、右側の景色と左側の景色を統合しながら歩いていますので、盲導犬ユーザーと同じように行く時と帰る時で違う道端を歩いても基本的には同じ一本道なのです。
このように盲導犬ユーザーは一本道の田舎道の往復でも、行きと帰りはまったく別の道を犬と歩いているのです。
今日は犬の訓練と言うより、ユーザーの歩きについての内容となってしまいました。
下の写真は帰りの河内橋を歩く様子です。この橋を渡ると犬も協会まであと少しとわかるようです。
田舎道の訓練は今回で終了です。