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盲導犬を希望する

貸与についてのQ&A

ここでは、盲導犬をもつことに関心を持った方からよくいただく質問をQ&A方式でご紹介します。

盲導犬と歩くこと

Q盲導犬と、どのようにして歩くのですか?
A

盲導犬の体にハーネスという胴輪をつけ、そのハンドルを左手に持ち、盲導犬に添うようにして歩きます。ハーネスを通して伝わる盲導犬の動きやまわりから聞こえてくる音などを手がかりにして、盲導犬ユーザー自身が周囲の状況を判断し、安全を確認しながら歩きます。

Q盲導犬は、どうやってまわりの様子を教えてくれるのですか?
A

盲導犬は、走行する車などに近づくことがないよう、道路の左端を歩くように訓練されています。そのうえで、盲導犬のする作業は以下の3点です。

① 交差点・曲がり角で停止する

② 歩道の縁石や階段などの段差で止まる

③ 障害物を避ける

Q盲導犬が目的地に連れて行ってくれるわけではないのですか?
A

はい。行き先を告げれば盲導犬が連れて行ってくれる、というわけではありません。白杖で歩く時と同じように、盲導犬ユーザー自身が行き先までのルートを頭の中に入れ、犬にどちらの方に行くべきかを指示しながら歩くのです。道路を横断する時も、盲導犬が安全を確認して歩き出してくれるわけではありません。盲導犬ユーザーが車の走り出す音など周囲の状況から、いつ歩き出すべきかを判断します。そして、盲導犬はユーザーの命令によって歩き出すのです。

Q盲導犬がいたら、必ず一人で歩かなければいけないのですか?
A

いいえ。盲導犬がいるからといって、一人で歩くことにこだわる必要はありません。大切なことは、一人で歩くことではなく、行きたい時に行きたい場所へ安全に行き、本来の目的を果たすことです。状況によっては、盲導犬と歩くより目の見える人の手引きを受けて歩いた方が良い場合もあるでしょう。行き先やその日の天候、出かける目的や時間帯など状況に応じてユーザー自身が歩行手段を選択すれば良いのです。

Q少し視力があるのですが、盲導犬をもつのは無理ですか?
Aいいえ。視覚障害による1級もしくは2級の身体障害者手帳をお持ちであれば、盲導犬の貸与を申し込むことができます。安全にそして快適に歩くことに不自由を感じておられるなら、盲導犬をもつことを考えてみてもよいのではないでしょうか。
Q盲導犬をもつのに、年齢制限はありますか?
A

はい。盲導犬ユーザーには、盲導犬と安全に歩行するための判断力と身体能力、動物福祉の観点から盲導犬を適切に飼育する責任感が必要とされます。そこで、原則として18歳以上の方、また高齢の方の場合は、70歳までの方を対象と考えています。 なお、年齢にかかわらず、その方の体力や健康状態等により、盲導犬の貸与・歩行指導(共同訓練)の実施についてご相談させていただく場合があります。

Q夫婦二人ともが盲導犬を希望する場合、どうすればいいのですか?
A

 はい。ご夫婦がそれぞれ1頭ずつ盲導犬を使用するケースもありますし、1頭の盲導犬をお二人で共有する「タンデム」という方法で使用するケースもあります。

 タンデムの場合は、どちらか一人が出かけるときに盲導犬を使用するという一般的なスタイル以外に、お二人が一緒に出掛ける時には、一人が盲導犬のハーネスを持ち、その人の右後ろにもう一人がついて歩くという方法もあります。

Q盲導犬とその他の歩行補助具を併用することはできるのですか?
A

はい。当協会で行う歩行指導では、3段に折りたためる白杖を短くして右手に持ちながら歩きます。盲導犬との歩行に慣れて白杖を持たなくなるユーザーもいますが、白杖を併用しているユーザーもいます。また、下肢が不自由な方で、体を支えるためのつえを併用しているユーザーもいます。

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費用面について

Q盲導犬をもつのにかかる費用は、どれくらいですか?
A

盲導犬は共同訓練修了者に対して、無料で貸与されます。 ただし、センターに宿泊して共同訓練を受ける場合の施設利用料(1泊食費込み 3千円・2024年 8月現在)、交通費などは自己負担になります。

 また、盲導犬の貸与が決定した後、犬用コートやブラシ、犬舎などの犬具を購入することになりますが、その実費も自己負担となります。購入する物品にもよりますが、初めて盲導犬と暮らす場合、物品の購入金額が 3~ 5万円ぐらいになることが多いようです。

Q盲導犬をもってからは、どれくらいの費用が必要ですか?
A

 まず、ドッグフード代が年間約10万円、年1回の狂犬病予防接種に約3千円、年1回の各種病気予防のためのワクチン接種に約1万円、フィラリアやノミ・ダニといった寄生虫予防薬に年間約2万円の費用が必要になります(ドッグフードは銘柄により価格は異なります。また、ワクチン接種や寄生虫予防薬などは、個々の動物病院で価格が設定されているため、上記金額はあくまで目安としてお考えください)。

 また、盲導犬が病気になった時には治療費が要りますので、月々一定額を積み立てることをお勧めしています。

 この他、犬具など消耗品の購入に年間約2万円が想定されます。これらの費用を合わせて考えると、毎年約20万円弱の費用が必要となります。

 一部の地方自治体では、予防接種等の減免、盲導犬の診療費・薬代の助成を行っているところもあります。所得による制限などもありますので、詳しくはお住まいの地域の障害者福祉担当部局にお問い合わせください。

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盲導犬の世話について

Q実際に盲導犬をもったとき、どのような世話をすればよいのですか?
A

 まず朝・夕の1日2回の食餌と、食後や出かける前などに排泄(大・小)をさせること、そしてその排泄物の処理は、毎日しなければなりません。毎日の規則的な食餌・排泄の習慣は、犬の健康を維持するためにはもちろんのこと、歩行中にうんちやおしっこをしてしまうといった失敗を防ぐためにも必要なことです。

 また、犬の健康を保ち、抜け毛などのトラブルを防ぐためにも、毎日の湯拭き・ブラッシング・歯磨きは欠かせません。感染症といった病気を予防するためのワクチン接種や飲み薬の服用など、毎年決まって行うこともあります。

 ペットの場合は散歩となりますが、盲導犬はユーザーと外出すること自体が必要な運動となります。ですから、用事がない日でも盲導犬と外出し、犬に適度な運動をさせる必要があります。

Q盲導犬には、何を食べさせたらよいのですか?
A

 当協会が指定したドッグフードを食べさせます。

 人間が食べているものを犬に食べさせてしまうと、人間の食事をほしがるようになり飲食店の利用に支障をきたすようになります。また、肥満や内臓疾患・虫歯など犬の健康を害する原因にもなります。

 いつも一定のドッグフードを同じ量、決まった時間に与えることで、排泄のリズムが大体決まってきます。その結果、いつ排泄させたらよいのか、といった目安をつけることができます。

 犬に与える食べ物は決められたドッグフードだけにして食事を管理することは、犬の健康管理や歩行中の排泄の失敗を防ぐためにも、とても大切なことなのです。

Qマンションや賃貸住宅では、 盲導犬を連れて入居することは無理なのではないですか?
A

マンションや賃貸住宅などでは、犬などペットの飼育を禁止しているところが多くあります。残念ながら身体障害者補助犬法でも、民間の集合住宅等では受け入れについて「努力義務」となっていますので、個別の交渉が必要なのが現状です。しかし、盲導犬は、目の不自由な人の歩行を安全で快適なものにするという役割をもっており、ペットとは異なる存在と考えられるべきでしょう。

Q入院や長期の旅行など、盲導犬の世話ができない場合、どうしたらよいですか?
A

盲導犬をある期間、手元に置いておけない事情が生じた場合は、当協会で盲導犬をお預かりすることもできますので、まず当協会にご相談ください。当協会で預かる場合、その間の盲導犬の宿泊代などは必要ありません。

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共同訓練について

Q共同訓練とはどのようなものですか?
A

 盲導犬と歩くためには、ユーザー自身がマスターしなければならないことがあります。ですので、ユーザーになろうとする方は必ず共同訓練を修了しなければなりません。

 共同訓練では、ハーネスを持って盲導犬と歩くこと、盲導犬への指示の出し方、盲導犬の動きをどのように判断するのかなど、盲導犬との歩行について実技と講義の両面から修得します。また、犬をコントロールする方法、世話や健康管理の方法、盲導犬を使用するうえで知っておくべきマナーや知識についても指導を受けます。

 たとえ共同訓練に入ったとしても、最後に実施する歩行試験や筆記試験に合格できなければ盲導犬は貸与されません。

Q白杖での歩行訓練を受けないと、共同訓練には入れないのですか?
A

必ずしもそのようなことはありません。ただ、白杖での歩行指導を受けた場合、白杖を使った歩き方だけでなく、音などの手がかりのとり方や交通機関の利用の仕方、手引きの受け方などについて指導を受けることができます。こういったことは盲導犬での歩行にも必要となることなので、白杖での歩行指導の内容はとても役に立つ、ということはいえるでしょう。

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その他の質問

Q盲導犬が引退したらどうなるのですか?
A

盲導犬の引退は、ユーザーの事情によるものだけではありません。盲導犬は10才で引退させるようにしています。最後まで盲導犬としての仕事をやり続けるのではなく、人間のように、定年退職をさせるわけです。リタイアした犬は、リタイア犬の世話をしたいと申し出ているボランティアの中から、協会がそ犬を預けるのに相応しいと判断した方の家庭で余生を過ごします。盲導犬との別れはユーザーにとってつらいものですが、まだまだ元気なうちに引退させることは、リタイア犬にも、その後のケアをするボランティアの方にも必要なことなのです。

Q盲導犬が引退したら、ユーザーはどうなるのですか?
A

盲導犬が引退したユーザーには、ご希望があれば最優先で次の犬との共同訓練に入れるように配慮します。病気などの理由で盲導犬が引退、あるいは死亡してしまった場合も同様です。

Q盲導犬をもつかどうか、迷っているのですが?
A

当協会にご相談いただければ、そのことを判断するために必要な情報を提供いたします。重要な問題ですので、十分な情報を得た上でご自身が決められることが大切です。迷っているのであればなおのこと、気軽に体験歩行を申し込んでみてください。

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