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活動予定・報告

活動報告

2022年06月02日
視覚障がい者の駅での歩行訓練会(2022/6/1)

ホーム下体験.jpg視覚障がい者にとって危険な場所の一つであるという意味を込めて「駅のホームは欄干のない橋」とよく言われます。ホームドアの設置など、少しずつハード面の整備は進んでいますが、まだまだ未設置のホームは多いですし、加えて利用客の少ない駅などでの無人化が進み、視覚障がい者にとって、駅はさらに利用しにくいものとなってきています。
近畿運輸局では、日本歩行訓練士会と鉄道各社の協力を得て、駅ホーム上の白杖での歩行訓練体験会を主催していると伺い、見学させていただきました。
この体験会は、視覚障がい者に駅ホーム上や電車乗降時の歩行技術を紹介・再確認していただくことと、国土交通省、鉄道事業者の皆さんに歩行訓練や歩行訓練士について理解していただくことを目的に開催されています。この日は近畿圏では5回目。京阪電鉄のご協力により中書島駅で行われました。
白杖を使用している京都府内の3名の視覚障がい者が参加され、研修センターに設置された実物大の電車車両や仮設ホームを利用して、電車やホームの安全設備などをじっくり触りながら確認しました。その後、中書島駅に移動し、回送電車を停車させたホームを利用して、歩行訓練士が1対1で歩行訓練を実施。
「歩行訓練を受けたのはかなり昔のこと。ホーム上の歩行について忘れていることもあった。安全な歩行について周囲の人たちにも伝えていきたい」「改めて歩行訓練を受け、これまでやっていなかったこと、大切なことを実感できた」また、「見えていた時には連結器カバーはなかった。今回の体験で連結器部分にカバーがあることを始めて知った」など、参加された方からいろいろな意見や感想が出されました。
また、事業者の方からも、当事者からの話を直接聞くことで「混雑時に困難に感じている点、そしてそれが乗務員の声かけなどによって乗りやすくすることもできるという気づきを得た」といった意見も出されました。
歩行訓練.jpg今回は白杖を使用した歩行訓練でしたが、このような体験会を通して鉄道事業者の方々に視覚障がい者の駅利用について知っていただくのは大切な機会だと思いました。見学を了承してくださった近畿運輸局、日本歩行訓練士会、そして関係者の皆さま、ありがとうございました。
右上の写真は、研修センターの中にある模擬ホームと線路で、線路の幅やホームの高さなどを確かめている参加者の様子。左すぐ上の写真は、駅ホームでの白杖の歩行訓練を受けている参加者とそれを見学している鉄道事業者等関係者の皆さんです。

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