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活動予定・報告

活動報告

2022年01月19日
音響信号のこと(2022/01/19)

 昨年、京都府八幡市で目のご不自由な方が道路横断中に車にはねられて死亡する事故がありました。音響信号のある横断歩道でしたが、その方が横断した時間は音響が止まっていたのではとのことでした。音響信号は、京都では渡る方角によって「カッコー、カッコー」、「ピヨ、ピヨ」との音で出て、目が不自由な方々は自分が渡ろうとする横断歩道が青か赤がわかりやすいのですが、この音響信号も場所によっては、音が気になるという周辺住民の声などがあり、夜間は音が止まる信号があります。
 音響が止まっていると目の見えない方々は、車の音のみで信号を判断しなければなりません。車が通っていれば、車のストップ音で渡る判断がつきますが、車が通っていないと目の不自由な方は信号が青なのか赤なのかわからないので、車の音がしない時に渡るしかありません。そのとき横断する信号は赤かもしれません。車の運転手からすれば信号は青なので速度を落とさずに横断歩道に接近しますから、横断しようとする人の発見が遅れると事故につながる危険性が高くなります。
 では、白い杖でなく盲導犬であれば信号横断は大丈夫でしょうか。「盲導犬は信号が判断できるのですか。」との質問を受けることがまだまだ多いです。信号は盲導犬が判断しているのでなく、ユーザーが車の通過音や音響信号の音で青か赤かを判断して、渡るときに犬に指示を出して道路横断をします。つまり白い杖でも盲導犬と歩いていても、信号を判断するのは目の不自由な方です。
 いつも見慣れている信号でも音響があるから大丈夫とは思わず、目の不自由な方が横断しようとするときには、「青ですよ。」とか「一緒に渡りましょうか。」など、周囲の方々が一声かけるような社会になれば、横断時の事故も減らせるのではないでしょうか。
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ユーザーは、横断しようとする道路に車が走っていれば「赤」、それらの車が止まって自分と同じ方向の車が動き出したときに「青」になったと判断して、それから犬に歩くよう指示を出して横断歩道を歩いていきます。
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音響信号があっても、工事現場の騒音などでユーザーは音が聞き取れないときもあります。白い杖の方や盲導犬ユーザーが道路横断するときには、一声あれば安心されると思います。(写真は訓練士と訓練犬です。)

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