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活動予定・報告

活動報告

2017年10月13日
盲導犬を足で蹴っている動画について(声明文)
盲導犬を足で蹴っている動画について
(認定NPO法人 全国盲導犬施設連合会加盟施設 声明文)


SNS上に流れております盲導犬の映像に対し、日本国内外から多くの苦情電話・メールをいただいております。早速、調査しましたところ全国盲導犬施設連合会加盟の8団体には当該盲導犬使用者がいないことを確認いたしております。

全国には11の盲導犬育成団体があり、それぞれが独立して運営を行っています。11団体すべてが同じ訓練ではなく、各協会独自の訓練ポリシーを持っています。しかしながら、今回のことは身体障害者補助犬法、動物愛護法、盲導犬育成事業者が守らなければならない盲導犬訓練基準に照らして、看過できない重要事項と受け止めています。

全国盲導犬施設連合会では、加盟8団体を含め全ての11団体に対し、当該盲導犬使用者に盲導犬を貸与あるいは給付していないか調査を依頼したところ、10月11日夕刻に1団体から『お問い合わせいただいた件、該当者が当会卒業生であることが10月11日に判明いたしました。緊急に該当者と面談をおこない、状況を本人の言葉で確かめたうえで注意はもちろんのこと厳重に対処することになります。』との報告がありました。

すでに10月10日には、全国盲導犬施設連合会と日本盲人社会福祉施設協議会盲導犬委員会の代表が共に、盲導犬事業者を指定する国家公安委員会(警察庁交通企画課)および厚生労働省障害保健福祉部自立支援振興室に赴き、これまでの状況の報告をいたしました。

全国盲導犬施設連合会加盟8団体は、動物福祉の精神にのっとり盲導犬の育成と視覚障害者への盲導犬貸与を行っています。とかく「愛のムチ」という言葉で正当化される犬に対する体罰による訓練は行っていません。また、盲導犬を適切に飼育管理できないユーザーには、盲導犬の貸与はいたしませんし、万一、犬に対する暴力行為などがあり、指導によって改善されない場合には、貸与後でも犬の引き上げを行います。

このことは、法的にも決められています。
具体的には、国家公安委員会が盲導犬育成団体を指定団体として11団体を認定しておりますが、この認定を受けるにあたって、各育成団体は訓練計画を提出しなければなりません。その中の「盲導犬歩行指導計画」第1の4項「盲導犬ユーザーの要件」として「盲導犬を苦しめることなく愛情をもって適正に取り扱い、適正な飼養ができる環境を保持できるもの」と記されています。第6の4項には、ユーザーのフォローアップについて「最低年1回、各訓練施設所定の定期報告書を求め、必要に応じフォローアップする」とあり、貸与後の指導・管理もすることになっています。

厚生労働省が管轄する「身体障害者補助犬法」第6章第21条でも訓練事業者や盲導犬使用者は「犬を苦しめることなく愛情をもって接すること等により、これを適正に取り扱わなければならない」。第25条で都道府県知事は、身体障害者または第4章に規定する施設等を管理する者から苦情の申し出があったときは、その相談に応じるとともに、盲導犬事業者に必要な助言、指導を行うことになっています。この条文により、盲導犬(補助犬)に関する問い合わせの窓口が都道府県に置かれています。
今後とも、私どもへお気づきの事柄をお寄せいただくと同時に、都道府県へもご意見をお届けいただければと存じます。

全国盲導犬施設連合会および加盟8団体では、こうした事例がなくなるよう、今後とも全力を傾注してまいります。

2017年10月12日

認定NPO法人 全国盲導犬施設連合会
加盟8団体
公益財団法人 北海道盲導犬協会
公益財団法人 東日本盲導犬協会
公益財団法人 日本盲導犬協会
社会福祉法人 中部盲導犬協会
公益財団法人 関西盲導犬協会
社会福祉法人 日本ライトハウス
社会福祉法人 兵庫盲導犬協会
公益財団法人 九州盲導犬協会

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